理由はただそれだけ。
final distance
final distance
「せーんーせっ!」
彼女が逆光となって真上に映り、
影をつくった。
「……セロくん。オレ寝てるんだけど」
「起きてるじゃないですか」
「……訂正。寝ようとしてるんだけど?」
「わかりますけど。二人っきりなのに背を向けて転がって、しかもその上無言とか私には堪えられません」
「おやすみ」
「無視ですか」
転がり背を向けるので、彼女はそれを追い、寄っていって、
ゆさゆさ。
「………なに」
「睡眠妨害。」
「セロくん最悪」
それでも起き上がろうとしない彼。
あぁほんとにつまんない。
なんで一緒にいるのかさえもうわからなくなりそうな、
思考を甘くする春の暖かな陽射し。
ほんとなんで一緒に?
「……ヒマです」
でも、”だから。”じゃない。
「オレは暇つぶしにはならないよ」
「ヒマだから愛のあるトークでもしませんか」
「半世紀後にね」
「先生かわいくない」
「そうだよオレはかわいくない」
つまるところは好きである。
「いい加減こっち向きましょうよ」
「だるい」
「もうそろそろ泣きますよ」
「見てみたいよ」
嘘だ。
「笑ってないと、ダメなくせに」
「………どうかな」
ダメですよ。と彼女は軽く笑う。
前のめりに覗き込んで、
「ダメでしょう?」
「……さぁ?」
素直じゃないです。
至近距離でも顔色変えないあたり腹が立ちます。
不満ばかりを並べた後に、口が疲れたのか。
もう戻ります。
そう言って、
顔を上げて、
立って、
去ろうとするから、
「ひゃっ……」
凄い力で腕を引っ張り、
セロの体は重力に逆らえないまま下へと落ちる。
下?
いや、彼の腕。
「……傍にいないとダメだとは思う」
だからそういうの
弱いんですってば。
「なんで傍にいるのかなぁ」
「運命?」
「何の因果で。っていうかそんなんじゃないよ」
「居たいからでしょ」
あぁなんて素敵な。
そんな理由で。
彼の上を降り隣に寝転がる。
「もうすぐチャイム鳴りますね」
「オレはいいんだよ、まだここで寝てても」
「やっぱり」
「セロくんもサボるの?」
「勿論」
「やっぱりね」
「今日だけだよ」
だって居たいから。
彼女が逆光となって真上に映り、
影をつくった。
「……セロくん。オレ寝てるんだけど」
「起きてるじゃないですか」
「……訂正。寝ようとしてるんだけど?」
「わかりますけど。二人っきりなのに背を向けて転がって、しかもその上無言とか私には堪えられません」
「おやすみ」
「無視ですか」
転がり背を向けるので、彼女はそれを追い、寄っていって、
ゆさゆさ。
「………なに」
「睡眠妨害。」
「セロくん最悪」
それでも起き上がろうとしない彼。
あぁほんとにつまんない。
なんで一緒にいるのかさえもうわからなくなりそうな、
思考を甘くする春の暖かな陽射し。
ほんとなんで一緒に?
「……ヒマです」
でも、”だから。”じゃない。
「オレは暇つぶしにはならないよ」
「ヒマだから愛のあるトークでもしませんか」
「半世紀後にね」
「先生かわいくない」
「そうだよオレはかわいくない」
つまるところは好きである。
「いい加減こっち向きましょうよ」
「だるい」
「もうそろそろ泣きますよ」
「見てみたいよ」
嘘だ。
「笑ってないと、ダメなくせに」
「………どうかな」
ダメですよ。と彼女は軽く笑う。
前のめりに覗き込んで、
「ダメでしょう?」
「……さぁ?」
素直じゃないです。
至近距離でも顔色変えないあたり腹が立ちます。
不満ばかりを並べた後に、口が疲れたのか。
もう戻ります。
そう言って、
顔を上げて、
立って、
去ろうとするから、
「ひゃっ……」
凄い力で腕を引っ張り、
セロの体は重力に逆らえないまま下へと落ちる。
下?
いや、彼の腕。
「……傍にいないとダメだとは思う」
だからそういうの
弱いんですってば。
「なんで傍にいるのかなぁ」
「運命?」
「何の因果で。っていうかそんなんじゃないよ」
「居たいからでしょ」
あぁなんて素敵な。
そんな理由で。
彼の上を降り隣に寝転がる。
「もうすぐチャイム鳴りますね」
「オレはいいんだよ、まだここで寝てても」
「やっぱり」
「セロくんもサボるの?」
「勿論」
「やっぱりね」
「今日だけだよ」
だって居たいから。
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