二人の意図未だ通わず。
でもそんなところがおいしいのでせう。
イニシアチブ
「髪、伸びたな。芦屋」
佐野の指が瑞稀の毛先をつまむ。
「あー、ほんとだ。」
「切ってないよな長いこと」
「うん。だらしなく伸ばしっぱなし」
佐野は意地悪を思いつく。
瑞稀が女だと知っているからこそ、
それを瑞稀が知っているからこそ、
確信犯は言うのだ。
「………なんか、」
「女みてぇ」
「おおおおおお、女ぁッ……!?」
がーん。と、ショックと焦りを顔に出す瑞稀に、
笑い、噛み殺す。
「も、もう切る!今週末にでも切るー!」
「こらこら」
「絶対切るから!あ、佐野切ってよ」
できるか。と、彼は心中で。
「切るなよ」
「なんで」
「似合うから」
「女みたいって言ったじゃん!」
可愛いよ。とも、彼は心中で。
「絶っっ対に、切るな」
「え」
彼はくしゃくしゃと彼女の髪を撫ぜ、念押しにこう言った。
「ぜったいダメ」
「………うん。わかった」
彼女の長い髪で遊び、キスするのが、
彼のちょっとした夢なのだ。
佐野の指が瑞稀の毛先をつまむ。
「あー、ほんとだ。」
「切ってないよな長いこと」
「うん。だらしなく伸ばしっぱなし」
佐野は意地悪を思いつく。
瑞稀が女だと知っているからこそ、
それを瑞稀が知っているからこそ、
確信犯は言うのだ。
「………なんか、」
「女みてぇ」
「おおおおおお、女ぁッ……!?」
がーん。と、ショックと焦りを顔に出す瑞稀に、
笑い、噛み殺す。
「も、もう切る!今週末にでも切るー!」
「こらこら」
「絶対切るから!あ、佐野切ってよ」
できるか。と、彼は心中で。
「切るなよ」
「なんで」
「似合うから」
「女みたいって言ったじゃん!」
可愛いよ。とも、彼は心中で。
「絶っっ対に、切るな」
「え」
彼はくしゃくしゃと彼女の髪を撫ぜ、念押しにこう言った。
「ぜったいダメ」
「………うん。わかった」
彼女の長い髪で遊び、キスするのが、
彼のちょっとした夢なのだ。
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